コラム・体験談

車椅子でバリアフリーの歯医者を受診してみて感じたこと

私の場合、歯医者(歯科医院)を受診するにあたって障害となりやすいのは「車椅子を利用していること」です。車椅子を利用する背景は人によって様々ですが、私の場合は重症筋無力症という病気を発症し、肺炎の併発などを通して歩くことが困難になったことから車椅子生活が始まりました。

重症筋無力症の影響から口を開けておくのが難しいことも障害であると言えますが、車椅子を利用していることは歯科受診において大きな障害だと感じています。今回は「私の歯医者におけるバリアフリー体験」についてお伝えできればと思います。

車椅子の人が探す「バリアフリーの歯医者」とは

私と同じく、車椅子利用者の方々は、まず「バリアフリーの歯医者」を探すところから始めないとなりません。

私のように急に歩けなくなり車椅子を利用している人は、いざ歯が痛くなって歯医者を探す段階になってやっと、今まで通っていた歯医者が車椅子では利用できないとわかることが多いのではないでしょうか。

  • 2階以上にあるがエレベーターはない
  • 歯医者のエントランスに大きな段差がある
  • 入ってからも段差のあるフロアにさらに上がる必要がある
  • 待合室がせまくなっていて車椅子で待つスペースがない
  • 診察室に入る時に通路がせまくて車椅子が入らない など

とにかく車椅子で歯科受診するには不都合なことが山積みです。もちろんバリアフリーの歯医者も世の中には多く存在すると思いますが、どこの地域でも近くに見つかるというわけではありません。

私が以前住んでいた地域には、車椅子でも受診できる歯医者がなく、訪問の歯科サービスを利用していました。ただ、診察の結果として積極的な治療が必要となると、地域の総合病院にある歯科・口腔外科まで行くように指示されました。

バリアフリーの歯医者が近所に開院することに

しばらくして近くにバリアフリーの歯医者が開院することになりました。ちょうど上の奥歯の痛みが我慢できなくなっていた頃でした。

車椅子生活になってから、以前に一度だけバリアフリーではない歯医者にかかったことがあったのですが、段差だらけの中やっと診察室に入れたのに、病気(重症筋無力症)の影響で口を大きく長い時間開けられないことにイライラされ、治療を途中で止めて帰ってきたことが実はありました。

ですから、バリアフリーの歯医者が近くにできたことは本当にありがたいと感じました。

バリアフリーの歯医者を受診して感じたこと

バリアフリーの歯医者に早速受診したところ、もちろんエントランスに段差はなく自動ドアで、中に入っても靴の履き替えは必要なく診療室内も段差がないため、そのまま入ることができて本当に感激したことを覚えています。

エントランス付近に比べて診察室がある場所の方が少し高いようで、緩いスロープになっていましたが、特に大きな問題ではありません。待合室は広々としており、車椅子で待っていても邪魔にならないスペースがあったことで気兼ねなく待てました。

診察室は自動ドアで仕切られていて、いくつかの診察チェアが並んでいましたが、隣とのスペースも広く、車椅子を横につけて移乗することができました。

先生や、スタッフの方も、車椅子の患者を診るということを考えてくださっているからか、手際よく移乗の介助をしていただけました。

また、体に負担がかからないように注意してくださったり、口を長い時間大きく開けておくことができないのを理解していただけたことも非常に嬉しかったです。

痛くない今だからこそ歯医者を探しておこう

車椅子を利用していたとしても、すこし歩ける人でしたら、エントランスまでは車椅子であっても、そこから歩いて待合室・診察室に行けるかもしれません。それであれば診ていただける歯医者は多いと思います。

しかし、私と同じように立って歩けない人であれば、歯が痛む前に行ける歯医者を探しておくべきです。近くに歯科・口腔外科がある総合病院などがあれば、スムーズに診ていただけるとは思いますが、そうでない方は、通院できる歯医者をいちから探さなくてはいけません。

予約の電話で、車椅子でも大丈夫ですという返答があっても、実際に行くと段差で中に入るのが難しく、泣く泣く受診できずに帰ったこともありました。

歯が痛くなってから慌てて受診できる歯医者を探しても、段差のないバリアフリーの歯医者が近くにないかもしれません。

歯が痛くなくても、お口の中をチェックしてもらったり、クリーニングをしてもらったりすることは可能です。電話で車椅子でも対応してもらえるか聞いてから、実際にその歯医者を受診してみて、自分が通える医院か確認しておくのが良いと思います。

監修者として今回のコラムを読ませていただき「歯科 バリアフリー」と実際に検索してみました。そうすると多くの施設が検索結果として表示されるものの、本文に書かれている通り、自分が通院する場所をこの中から探すのは大変な作業であると感じました。

また、痛くない今だからこそ、通院できる歯科医院を探しておくことが大切、という記述も印象に残りました。痛くなってから歯科へ受診するのではなく、かかりつけの診療所をつくり、定期的に受診し日ごろからメインテナンスをすることで、大きな虫歯や歯周病を予防していけると良いでしょう。

[監修歯科医師:黒田英孝]

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ライターネーム「Bluelight」
ライターネーム「Bluelight」
病院や介護施設などで勤務していましたが、病気のため車椅子生活となったことからリタイアしました。現在自宅でライティングの仕事をしています。