私は十数年前に、全身の関節や筋肉に慢性の「痛み」と「こわばり」を生じる線維筋痛症を患い、今では肢体不自由となりました。この記事も音声認識ソフトを利用して書いています。
歯磨きは、腕が痛いため1回ではすべての部位を磨くことができず、3回にわけて異なる部位を磨くようにしています。そのため歯周病にもなりやすく、体調が悪くて歯医に受診できないときは、歯医者さんからうがい薬をもらっています。
目次
線維筋痛症(肢体不自由)の私が苦労していること
食事のときに箸が持てず、ケーキ用のフォークやスプーンで食べています。ヘルパーさんに手伝ってもらっていますが、お肉などは大きいままだと、腕が痛くてフォークを使えないので、小さく切ってもらって食べるようにしています。
お魚なども骨のところは避けて食べやすいようにしてもらっています。飲み物も容器の蓋をきっちりと閉めてあると、開けることができないので、軽く閉めてもらっています。
薬などを押し出すことができず、玄関ドアの開け閉めもできません。急に体に触れられると痛みが発生するので、ヘルパーさんには声を掛けてから身体に触れてもらうようにしています。
外出時に座り続けていることが苦しくなってきたら
外出の際は長時間歩けないため、ヘルパーさんに車いすを押してもらっていますが、腰や臀部、後ろ太ももが痛くなるので、長く座っていることができません。車いすを利用したとしても長い外出はできないのです。
数時間座っていて後ろ太ももが痛み、座り続けることができなくなってきた時は、温熱ピローをあてたり、可視総合光線をあてたりしています。可視総合光線療法は光と輻射温熱を直接患部にあてる治療法で、筋肉のコリや痛みが楽になります。
また車いすに乗っていると、段差や傾斜で負担がかかり、腰が痛みます。そうしたことから、段差や傾斜では歩くようにしています。
歯科医院に行く前にいつもやっていること
私の場合、歯医者に行く前は、いつも温熱ピローを後ろ太ももや臀部にあててから行くようにしています。ある程度の時間、座っているのも苦にならず、比較的長く座っていることができます。
私の使用している温熱ピローは、「あずきのチカラ™(桐灰)」というもので、布の中に小豆が入っていて、電子レンジで温めて使います。
元々は肩こり用に作られていますが、私は後ろ太ももや、腰部、臀部、足のすね、腕など肩以外にも使用しています。
歯科医院にかかるときに必ず持っていくもの
歯医者にかかるときに必ず持っていくものは、無重力クッションやゲルクッションです。
体圧分散性がよく、おしりへの圧力がかかりにくくなります。これに座っていると、腰や臀部、後ろ太ももの痛みが軽減されて長く座れるようになります。
冷えによる痛みもあるので、軽くて温かい、ひざ掛けを用意します。病院でもひざ掛けは用意してくれますが、私が持っていくのは腕痛のためで、自分で動かせる軽いものを選択しています。
歯医者さんに理解・協力してもらっていること
歯科医にかかるときに、歯医者さん側に気を付けてもらっていることがあります。
椅子に座ったときに足のすねを下していると、重みで痛くなってしまうので、すぐに倒して横になっている状態にしてもらいます。
すぐに治療を開始できればいいのですが、待ち時間があるときは、待合室のソファーで横にならせてもらっています。
初めのうちは人の目が気になったのですが、腰、臀部や後ろ太ももの状態が悪いときは横にならないともたないのです。
傍目には分からず「何で横になっているのだろう?」
私の障害は目に見えない障害なので、傍目には分かりません。初めは何で横になっているのだろうと歯医者さんが思ったようですが、だんだんと理解してくれました。
その他にも、歯医者さんに協力してもらっていることがあります。午後の時間になればなるほど、臀部や後ろ太ももの痛みが強くなるので、午前中の早い時間の予約にしてもらっています。
朝の時間は座っていても痛みが出る時間が遅いため、午後よりは楽に治療を受けられます。
まとめ
今回は、線維筋痛症で肢体不自由となった自分が、普段の生活で気をつけていること、歯科受診の前にやっていること、歯科医院に持っていくグッズ、歯医者さんに協力してもらっていることなどを書かせていただきました。皆さまのご参考になれば大変嬉しく思います。
線維筋痛症は体の広範囲にわたる「強い痛み」が特徴で、「疲労感や倦怠感」「こわばり」「睡眠障害」「うつ状態」など、さまざまな症状が併発する病気です。
線維筋痛症は、従来の一般的な検査では身体に異常が見られません。脳の機能障害が原因と考えられていますが、よくわかっていないことも多く、現在でもさまざまな議論や研究が行われています。
口腔や顔面にも痛みを生じることがあり、顔面痛を主訴に歯科にかかられる方もいらっしゃいます。
[監修歯科医師:黒田 英孝]